こんにちは。
横浜・馬車道の靴修理店 A Presto Care です。
今日、関東地方も梅雨入りしましたね。
普段から革靴を履く方々にとっては憂鬱な時期です。
(かく言う私もその1人です。)
今日紹介するのはこちらの1足。
底周りの修理としてはフルメンテナンスに近いのではないでしょうか?
[Church’s SHANNON チャーチ シャノン]
オールソール(ミッドソール交換あり)
つま先補強(スチール)
ハーフラバー
腰裏(カウンターライニング)
充て革縫い(履き口)
ブログなどにも再三書いていますが、最近の革靴高騰の中で真っ先に例に上がるのがチャーチ。
このシャノンも定価は18万程。(色々と安く買える方法はありますが・・・)
数年前まで10万円でお釣りが来るぐらいだったのに・・・
鼻血モンです。
写真を見ていただくとお分かりですが、全体的にかなり磨耗しています。
ヒールは積み上げも削れ、左足の履き口は縦に裂けている状態。
ソールに至っては新品時に取り付けたラバー、本底を突破してミッドソールまで削れています。
ただ、これだけ削れていても底周りに関しては交換してしまえば全く問題ありません。
(幸いウェルトは削れていなかったので活かしています)
ミッドソールは3㎜厚のベンズで交換。もちろん中物のコルク交換。
ソールは4.5㎜厚のもので、縫いをかける前にハーフラバーを付ける位置を決めて下準備→縫い。
今回はハーフラバー+スチールなので底面はかなり強化されたと思います。
履き口の破れはまずブツでジグザグに縫い付けて補強。
場所柄それだけではまたすぐに裂けてしまうので、裂傷部分を包み込むように上から革を充てて縫い付けといった形で二重で補強しています。
写真には写っていませんが、腰裏(かかとの内側)も革が傷んでいたので革を充てて補修。
裂けてしまった部分に関して言えば結果的に内・外両方から革を充てる事ができたので、不幸中の幸いといったところでしょうか。
最後の仕上げは乳化性のクリームで。
チャーチのポリッシュドバインダーは強く押し込む形でクリームを入れると意外と入るので、日々のメンテナンスもホコリ落とし→汚れ落としで拭く→乳化性のクリームでいいかと思います。
今回、お客様は「気に入って履きすぎでここまで傷んでしまった。正直、もうダメかと思って最悪処分することも考えていた。」とおっしゃっていました。
新品と同じとまではいきませんが、受け取り時には大変喜んでいただき「修理に出して良かった」とおっしゃっていただきました。こちらとしても嬉しい限りです。
オールソール(レザー オープン)¥17,600(税込)〜
ミッドソール交換 ¥3,300(税込)
ハーフラバー ¥3,850(税込)〜
つま先補強(スチール)¥4,400(税込)〜
腰裏 ¥4,400(税込)〜
充て革縫い ¥2,200(税込)〜
A Presto Care(ア プレスト カーレ)
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