こんばんは。
横浜・馬車道の靴修理店 A Presto Care(アプレストカーレ)です。
今日は紹介するのはこちら。
メーカーは分かりませんが、イタリアで作られた1足。
[ストレートチップ]
オールソール(レザー オープンステッチ ヒール・・・TOPY10㎜)
ハーフラバー
この靴の製法はマッケイ製法。
靴の中底(足を入れる部分)と本底をブツ(直接)で縫い付ける製法です。
アウトステッチをかけるわけではないので、ギリギリまでコバを(ソールのサイド部分)攻めることができて華奢でエレガントな仕上がりになっているものも多いです。
今回お預かりした靴は踏まず部分を縫っていないタイプ。
接着が剥がれ、隙間ができてしまっています。(写真2・3)
「気に入っている靴なので、修理して履きたい」という事でお持ち込みいただきました。
こういうタイプの靴によくあるのですが、ウェルト部分は押縁(擬似ウェルト)ではなく、ミッドソール状のものが1層目にあり、その上に本底をつけて縫いをかけています。
ブラックラピド製法ならミッドソールにマッケイ縫い。その後本底をつけてアウトステッチとなりますが、この靴はマッケイ製法。
なので、ミッドソールではなく押縁を使用することで屈曲性と軽さを出しました。
写真右がソールの大きさを型取りして押縁をつけたもの。
そして・・・・
注目していただきたいのが、このミッドソール状の1層目の素材がナンポウというところ。
ミッドソールや押縁(擬似ウェルト)、ヒールの積み上げなどに使用されることが多いこの素材。革と紙を混ぜて固めたものです。中には紙だけを圧縮したものもあります。
個人的にはナンポウの良さがわからないので、当店では一切使用していません。
・水に弱い
・無駄に硬い(ヒールの積み上げに使用している場合コツコツ音が響く)
・経年劣化で割れる(ウェルトに使用した場合屈曲部がよく割れます)
・何より貼り合わせた時の接着力が心許ない
などが挙げられるでしょうか。
という事で、ウェルトは革のものを使用しています。
仕上がりはお持ち込みいただいたのと同じ仕様で。
縫いをかける前にラバーの取り付ける位置を決めてバフがけ(接着する底面を荒らす)しているので、縫い糸を傷つけることなく取り付けられます。
今回お客様の希望で少し厚めのトップリフトをという事で、ビブラムではなくTOPYのものを使用しました。
最後に乳化性のクリームを入れてブラッシング。ツヤを出して完成です。
オールソール(オープン 押縁交換込み)¥16,500(¥18,150)
ハーフラバー ¥3,000(¥3,300)
その後、お客様より「ウェルト部分を本革にしていただいた事により、オリジナルよりグレードアップした感じで以前よりも気に入りました」とのお声をいただきました。
こうしたお客様の声を直接いただけるはありがたい限りです。
※郵送でも修理を承っております。
お気軽にご利用下さい。
8/11(水)〜8/13(金) 夏季休暇となります。
A Presto Care(ア プレスト カーレ)
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